スマホは生活の利便性を確実に向上させる -シニアレポートより-|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

<図1>スマホ所有による生活変化(複数回答)<所有期間>

みなさんはスマホ無しという生活を考えることができますか?一度スマホを使い出してしまったら、もうスマホ無しの生活に戻るのなど、無理ですよね。そして、スマホの利便性は計り知れないものであり、生活に様々な変化をもたらしているはずです。

そんなことは理屈では分かっているのですが、きちんと分析を行ったデータを見つけることができました。NTTドコモは2019年に、シニアを対象としたスマホによる生活変化に関する調査を行っていました。
先に結論を申し上げると、スマホ所有期間の長いシニアほど生活変化の実感が増加しているということでした。

シニアを対象というところも意義があります。そもそも社会で活躍されている世代はすでにほとんどの方がスマホを使われていますから、スマホを使ってない層と比較しようがありません。一方で、シニア層でさえスマホの恩恵を感じているということもこの調査結果からうかがえます。

このNTTドコモの調査ですが、実際の調査は同社のモバイル社会研究所が2019年1月に、全国15〜79歳の男女を対象にウェブで行った「一般向けモバイル動向調査」(回答数6,926)を分析していく中で明らかになったもので、NTTドコモがシニアレポート「スマホ所有期間の長いシニア、生活変化の実感13~30pt増加」として2019年12月18日に公表しました。

この分析では、2つの視点からシニアの生活変化を追っています。まず1つ目は、スマホの所有期間に着目して比較分析を行なっています。60~79歳を対象として、スマホの所有期間別に生活変化(11項目)についての分析結果を示しています。所有期間が1年以上、3年以上、7年以上と長くなるにつれ、11項目の全てにおいて生活変化を実感している割合が増加(項目毎13~30ポイント、平均24ポイント)していることが分かります。スマホの所有期間が長いシニアほど、スマホの利活用がより進んでいるということを示しているわけですね。一方でシニアのスマホの利活用にはある程度の期間を要することも考えられるでしょう。

なお、図中の矢印は、所有期間1年未満と7年以上とで25ポイント以上の差があった項目(11項目中6項目が該当)を示しています。とくに渋滞情報・カメラ機能・地図アプリ・商品検索等において、長期間スマホを所有しているシニアとそうでないシニアとの間に大きな差異が認められました。

<図1>スマホ所有による生活変化(複数回答)<所有期間>
<図1>スマホ所有による生活変化(複数回答)<所有期間>

2つ目の視点は、スマホ所有による生活変化について、はじめてスマホを所有した際の「スマホ所有のきっかけ」に着目して分析を行なっています。前述と同様の11項目について、それらがスマホ所有のきっかけとして、最も積極的・能動的と考えられる “使いたい機能・アプリがあった” という項目を1番の理由に挙げたシニアと、漠然とした “何となく” という項目を1番の理由に挙げたシニアの集計結果を、60・70 代のシニア全体の集計結果と比較分析しています。

11項目全てにおいて “使いたい機能・アプリがあった” と回答したシニアは生活変化を実感する割合が高く、“何となく” と回答したシニアは低くなっています。“使いたい機能・アプリがあった” と “何となく” との差は各項目で 12~36ポイント、平均25ポイントでした。

なおドコモによれば、両者におけるスマホ所有期間に大きな違いは見られなかったということ。今後、新たにスマホを所有するシニアがスマホを利活用するためには 「スマホで出来ることについて興味を高めること」が有効と考えられます。

<図2>スマホ所有による生活変化(複数回答)<所有きっかけ>
<図2>スマホ所有による生活変化(複数回答)<所有きっかけ>

ということで、「スマホは間違いなくあなたの生活を一変させますよ?!」と自信を持って言えるようになったわけですね。

(参考)
NTTドコモ モバイル社会研究所
スマホ所有期間の長いシニア、生活変化の実感13~30pt増加(2019年12月18日)
http://www.moba-ken.jp/project/seniors/

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