厚生労働省は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を公表しました。
この中で「感染の流行を早期に終息させるためには、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要であり、徹底した対策を講じていくべきである」とし、国民にお願いしたいこととして、心配だからといってすぐに医療機関を受診しないことを求めています。これは医療機関に過重な負担をかけることになり、また安易に医療機関を受診することは、かえって感染するリスクを高めることになりかねないからです。
風邪症状が軽度である場合は、自宅での安静・療養を求めています。
どのような症状が続いた場合に診察をうけるべきなのか、また新型コロナウイルス感染症の診察はどこで受けられるのかといった情報は多くの人たちが求めている情報です。症状が出ていなくても感染していることも考えられ、前述のとおり安易な通院は二次感染につながりかねません。
こうした状況下では、医療機関にかかる前にスマホを通じていつでもどこからでも相談できる「オンライン健康相談」が大変有効な手段といえます。
厚生労働省は新型コロナウィルスに関連する電話相談窓口を設置し、2月7日からはフリーダイヤル化して対応にあたっていますが、問い合わせが殺到して電話がパンク状態なのだとか。そうした中で、厚生労働省は新型コロナウイルスの発生状況や予防法などの情報を広く提供するため、AIチャットボットが応答して新型コロナウイルスに関する概要や発生状況、予防法、相談を受けられる場所など必要な情報を24時間いつでも応答する「新型コロナウイルス感染症情報 厚生労働省」LINE公式アカウントの運用をスタートさせています。
公式アカウントを通して得られる回答のデータベースとなるFAQは、厚生労働省から共有された情報を元に構築されています。このFAQは、新型コロナウイルスの発生状況にあわせて継続的に更新・追加を行い、最新の情報を提供できるよう、厚生労働省と各自治体の協力のもと運用していく予定としています。
何より注目したいのは、実際に感染の疑いのある方などがすぐに医師に相談できるオンライン健康相談サービスの部分です。2月10日からはLINEヘルスケアに接続し、医師が相談にチャットで対応してくれるサービスもスタートしています。
スマホを使っていつでも医師の助言を受けられるオンライン診療は、世界ではすでに始まっていました。ところがわが国では法規制等の都合で極めて慎重でした。感染症対策においては、対応できる医療機関も限られることから、じつはオンライン健康医療相談が有効な手段になると考えられていましたが、皮肉なことに今回の新型コロナウイルス感染症をきっかけに続々と実践的活用がスタートした感じで、できたらこのまま規制緩和に向けて社会が大きく動いていくことを期待したいものです。
わが国でも猛威を奮い出した新型コロナウイルス感染症ですが、3月10日あたりまでが急速な拡大に進むか収束できるかの瀬戸際となると見られています。感染を拡大させないためには、何かしら感染症の症状がある人は他者に感染させないよう工夫することが求められ、こうしたオンライン情報やオンライン健康相談を有効に活用していきたいものです。
LINEプレスリリース
「新型コロナウイルスに関する問合せに対応するLINE公式アカウントを開設」
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2020/3075