キャッシュレス決済は習慣化するらしい|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

キャッシュレス決済を開始した理由、習慣化した理由

キャッシュレスって、一度使い始めると手放せなくなります。現金しか対応していないと言われてカバンから財布を取り出すのがこれほど億劫なものだったと気付かされたわけです。
「使い出したら便利で手放せなくなる」を裏付けてくれるような調査結果が公表されました。

マネーツリー株式会社と日本クレジットカード協会(以下、JCCA)とアクセンチュアは、2018年8月~9月、マネーツリーの個人資産管理アプリ「Moneytree」の利用者(9,049人)と、JCCA選定の一般消費者(1,305人)向けに調査を行い、「キャッシュレス社会の実現に向けた調査報告書」を公表しています。この調査結果からキャッシュレスを使うきっかけになったこと、さらに習慣化した要因などを改めて検証し、マネーツリーが11月にその結果をまとめました。

日本の国民総支出に対するキャッシュレス決済の割合は約20%と言われ、政府は2025年までにこれを倍の40%まで引き上げる目標を掲げています。
中国などに比べると、日本はキャッシュレスが進まない国でしたが、このところは数多くの事業者がペイメントを提供し、10月からは消費税増税に伴いキャッシュレス還元が政府主導で行われるなど、各方面で様々な施策が開始され一気に利用が進んできた感じです。

今回の検証では、キャッシュレス決済の促進にあたり重要なポイントである、「利用開始のきっかけ」と「習慣化した理由」について尋ねています。約60%以上の利用者が「ポイントやマイルが貯まるなど、日常的にお得だと感じたため」利用を開始し、そして約80%の利用者が「便利だったから」利用を習慣化していることがわかりました。

キャッシュレス決済を開始した理由
<図1>キャッシュレス決済を開始した理由
キャッシュレス決済が習慣化した理由
<図2>キャッシュレス決済が習慣化した理由

一方で、キャッシュレス決済可能な店舗で、あえて利用しない理由を尋ねたところ、1番の理由が「使いすぎが怖い」ためであることがわかりました。

キャッシュレス決済をあえて使用しなかった理由
<図3>キャッシュレス決済をあえて使用しなかった理由

この調査ではありませんが、確かに、筆者もキャッシュレスを使わない人たちに「なぜ使わない?」という質問をすると、多くは「使い過ぎてしまいそう」という声がよく聞かれます。
しかし、キャッシュレスだと使い過ぎてしまったりするのでしょうか。現金の出入りをしっかり管理している人は、むしろキャッシュレスの利用の方がしっかりデータとして蓄積し、後から使った金額や内容の分析もしやすいと思います。デジタルで資金管理している人はむしろキャッシュレスの方が管理しやすいはず。

実際にマネーツリーの調査でも、一般消費者のキャッシュレス決済保有率は59%なのに対して、マネーツリーの個人資産管理アプリ「Moneytree」利用者のキャッシュレス決済保有率は99%となったことや、Moneytree利用者の75%以上がキャッシュレス決済を日常で50%以上利用していることなど、総じてMoneytree利用者のキャッシュレス決済のリテラシーの高さが伺えたとしています。

キャッシュレス決済やデジタルな資産管理など、いわゆる「フィンテック」を上手に活用していきたいものですね。

(参考)
マネーツリー「キャッシュレス決済、 “利得性”で利用開始、“利便性”で習慣化」
https://www.atpress.ne.jp/news/199954

「キャッシュレス社会の実現に向けた調査報告書」について
日本クレジットカード協会(JCCA)、アクセンチュア株式会社、当社の3社で、消費者がキャッシュレス決済を「使えるのに、使わないのはなぜか」に着目した調査を実施。諸外国の取組み事例も参考に、日本におけるキャッシュレスの推進策の考察を取りまとめたもの。
http://www.jcca-office.gr.jp/visit/0218_report.pdf

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