埋蔵携帯の価値が急上昇、その訳は?|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

筆者のデスク机上の“埋蔵”、、ではなかった、“稼働中”スマホたち

レンタルDVD大手のゲオホールディングスは、現在使われずに自宅に保管されている携帯電話の価値を試算した結果、総額2兆1,239億円となったということを発表しました。

これはゲオホールディングス(以下、ゲオ)が “現在使われず自宅に保管している携帯電話” を “埋蔵携帯” と定義し、2015年と2017年に『埋蔵携帯の総額価値』の試算を実施してきたもので、今回の調査は2年ぶりの3回目となります。
筆者はこの市場に出てこない保管されたケータイやスマホの実態に関心を持っておりまして、ゲオの調査結果は当コラムでもその都度報じてまいりました。

過去の試算結果を振り返ると、第1回目の2015年の調査では“1兆6,489億円”、2017年の調査では約500億円増加の“1兆7,013億円”となっていましたが、さらに今回の調査では4,200億円以上増加し“2兆1,239億円”となりました。

2015年の調査[sitecard subtitle=関連記事 url=”https://mobile-univ.com/archives/11545″]2017年の調査[sitecard subtitle=関連記事 url=”https://mobile-univ.com/archives/14501″]

この金額の上昇はいったいどういうことなのでしょうか?!

ゲオのこの埋蔵携帯試算は、関西大学の宮本勝浩名誉教授の協力のもと、1人当たりの平均携帯保有台数から平均契約携帯台数を差し引き、日本における実際に携帯電話を保有している人数を掛けたものを『埋蔵携帯台数』と試算し、中古携帯の平均買取価格を掛けることで算出しているそうです。

ではなぜこの2年で埋蔵携帯の総額価値が上昇したのかというと、ゲオによれば「端末の普及により埋蔵携帯の台数が増えたことや、新品端末が続々と発売され、旧機種でも新機種と遜色がないため、価値が下がりにくく、中古端末価格が上昇した」としていますが、それだけではなさそうです。

分離プランの義務化」という話題を耳にされたことのある方も少なくないと思いますが、わが国では携帯電話やスマホの販売方法の見直しが議論され、いよいよ今秋からその方法が大きく変わろうとしています。これまでのように回線契約を前提とした端末割引が禁止されます。じつはわが国ではこの割引合戦が行き過ぎていて、世界では本来“高価”なスマホ端末が、新品でありながらとても安価に購入できる国でした。新品が安価に購入できるということは、その一方で中古端末市場が発展しない要因にもなっていました。

しかし、今秋以降は新品端末の行き過ぎた値引き販売が禁止され適正な価格で提供されるようになります。
「スマホが高くなったではないか」という声があちこちで聞こえてきそうですが、同時にスマホを購入する際の選択肢の一つとして、改めて中古スマホが注目されるようになると思います。中古スマホの価値も高まってくればスマホの買取に関しても安定した市場になっていくと思われます。

つまり中古スマホの価値が今年後半にかけて急上昇中ってことなのですね。その評価が付加されて埋蔵携帯の価値が大きく向上したのでしょう。

ということで、これからは手持ち使わないスマホはタンスの中にしまっておくというのではなく、市場の相場を見ながらタイミングよく売却するという術を身に付ける必要がありそうです。

筆者のデスク机上の“埋蔵”、、ではなかった、“稼働中”スマホたち
筆者のデスク机上の“埋蔵”、、ではなかった、“稼働中”スマホたち

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