iPhoneが学生証に?!
米Appleは8月13日、来学年度にiPhoneおよびApple Watchを使用したWallet学生証を10万人以上の大学生が使用すると発表しました。あくまでアメリカでの話です。
iPhone 6/6 Plus以降の端末には非接触IC機能が搭載され、Apple Walletアプリの中にクレジットカードや会員証を入れて使えるのはご存知の通りですが、このWalletの中に学生証を入れる機能に対応させた大学が順次増えているというトピック。
このWallet学生証ですが、2018年10月から利用可能になった機能で、昨年はデューク大学、オクラホマ大学、アラバマ大学、テンプル大学、ジョンズホプキンス大学、マーシャル大学、マーサー大学で導入されました。
米国の新学期は秋からなので、今秋から新たにクレムソン大学、ジョージタウン大学、テネシー大学、ケンタッキー大学、サンフランシスコ大学、バーモント大学、アーカンソー州立大学、サウスダコタ州立大学、ノーフォーク州立大学、ルイバーグ大学、ノースアラバマ大学、チョワン大学の12校が導入を決め、のべ10万人を超える大学生に利用されることになるそうです。
振り返れば、わが国ではiPhoneが発売される以前から携帯電話に非接触ICが搭載されたおサイフケータイが普及しており、これに学生証を入れて使うサービスも存在していました。しかし導入にはアプリを含むソリューションとしての導入が求められたほか、携帯電話アプリはキャリアごと、下手をすれば端末メーカーごとの開発対応が必要になり、これが結局コストに反映されてしまうので、大きく拡がることもなく、気がつけばカードタイプ(IC機能はあるものの)の学生証に戻ってしまった感じです。
ちなみに、今回発表された米国のWallet学生証ですが、Walletに対応している「eAccounts App」を使います。eAccounts Appは米ブラックボード社が運用しているもので、同社の教育機関向けシステム(Blackboard Mobile Credentials)を大学が導入することで、出欠/退勤管理や施設の入退館認証、さらにお金をチャージしてキャンパス内の店舗や自販機等で電子決済などに使えるといったシステムになっています。ということで、やはり米国の場合でも大掛かりなソリューションを大学で導入した上での利用になってしまうようです。
筆者が勤める大学は、以前は磁気カード式の学生証/職員証だったのですが、一昨年よりようやくICカードタイプに変更となりました。ICカードの利用としてはリーダーを使った出欠管理ぐらいで、もう少し利用範囲を広げれば良いと思うのですが、電子化への道のりはまだまだ遠そうな感じです。ただせっかくICカード化したのであれば、これをスマホの中に入れられる機能も欲しいところ。
ちなみにApple WalletはクレジットカードやSuicaを入れて使っていますが、クレジットカードの場合はカードのほうもiPhoneも、両方とも使えますよね。Wallet学生証の場合もカードとiPhoneの両方でアクティブになるのでしょうか。そうすると、カードの方は友達に預けておいて代返に使うとかできるのかしら(笑)。
いずれにしても、Wallet学生証が日本の大学でも使えるようになると便利ですね。
Apple:Apple brings contactless student IDs on iPhone and Apple Watch to more universities
https://www.apple.com/newsroom/2019/08/apple-brings-contactless-student-ids-on-iphone-and-apple-watch-to-more-universities/
Apple:iPhone や Apple Watch の Wallet で学生証を使う
https://support.apple.com/ja-jp/HT208965