ブラジャー型ウェアラブルが登場!│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

トランスミッターは動きを妨げない前中心に配置し表からは見えない設計

ワコールとミツフジがブラジャー型ウェアラブルを開発し、7月から発売するというニュースが飛び込んできました。

女性下着メーカーであるワコールは、様々な分野で増加傾向にある女性就労者の多様化する下着に対するニーズに向け様々な商品を作ってきましたが、今後さらに女性の健康をサポートする領域へも領域を拡大させ、新たな下着の可能性を探っていくのだそうです。
そうした構想の中で、繊維メーカーのミツフジと共同で、このほど働く女性の健康管理をサポートするブラジャー型ウェアラブル「iBRA」を開発しました。初回生産ロットは3,000枚で、2019年7月よりミツフジが法人向けに販売するとのこと。

心拍計測できるブラジャー型ウェアラブル「iBRA」
心拍計測できるブラジャー型ウェアラブル「iBRA」

じつは昨年2月に当連載でミツフジのウェアラブルIoT「hamon(ハモン)」を紹介していますが(https://mobile-univ.com/archives/14668)、今回開発された「iBRA」はブラジャーにミツフジの「hamon」を組み合わせることで、働く女性の健康管理をサポートするという商品になっています。[sitecard subtitle=関連記事 url=”https://mobile-univ.com/archives/14668″]

hamonは、ミツフジが独自に開発した導電性の銀メッキ繊維を使用した衣類と専用トランスミッター(取得した生体情報をアプリに転送するBluetooth送信器)により「着ているだけ」で心拍変動を収集できるウェアラブルソリューションです。心拍計測により、心拍のゆらぎ(HRV=Heart Rate VariabilityとかRRI=心拍R-R間隔などと言われます)を測定することで、交感神経・副交感神経の活性が分析できます。

この心拍変動の解析は今まさに研究が進行中の分野なのですが、たとえばストレスだったり、リラックスしているといったその人の心の状態をリアルタイムに知ることができます。さらには近年は様々な病気の予兆などを知る指標にもなるということが分かってきており、世界中の研究者が注目している研究分野ます。

正確な心拍変動を計測するために従来は医療用の心電計が用いられていました。しかし近年はリストバンド型やチェストバンド型などの心拍計測可能な様々なウェアラブルデバイスが登場したことで、そうしたデバイスを健康管理などに応用していこうという取り組みが散見されるようになってきました。
筆者も色々なウェアラブルデバイスで心拍計測を試みているのですが、やはり身体に密着した状態になるデバイスほど正確にデータを収集できることが分かってきました。色々と試した中で、身体に密着した下着で心拍を収集するというミツフジの「hamon」はなかなか画期的であると感じていました。ですので、今回ワコールが公表した「iBRA」もかなり正確に心拍計測ができるウェアラブルなのでしょう。

この「iBRA」の開発にあたっては、Peach Aviationの協力により「働く女性のためのウェアラブルプロジェクト」を立ち上げ、客室乗務員の業務中に着用検証を実施して働く女性のリアルな声を反映させ商品化させたということです。ワコールの既存のノンワイヤーブラをベースに女性が職場で違和感なく着用でき、かつ正確なデータを取るために必要な女性の身体に密着できる構造を新たに設計・開発しているそうです。

トランスミッターは動きを妨げない前中心に配置し表からは見えない設計
トランスミッターは動きを妨げない前中心に配置し表からは見えない設計

ワコールでは、今回のブラジャー型ウェアラブルの共同開発をきっかけに、さまざまな分野で就労している女性のニーズを掘り起し、各分野での女性の健康をサポートする商品開発に取り組んでいくとしています。
うーむ、職場でストレスにさらされているのは男性も同様、どうかオシャレな男性向け製品も作ってください。

出典:ワコールはミツフジとブラジャー型ウェアラブル『iBRA(アイブラ)』を共同開発~働く女性の健康をサポート~(プレスリリース)
https://www.wacoalholdings.jp/news/2019/ibra.html

※「iBRA(アイブラ)」は株式会社ワコールの登録商標です

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