ゲオは8月22日に、現在使わず自宅に保管されている携帯電話(これを「埋蔵携帯」と名付けてます)の価値を試算した結果、総額1兆7,013億円にも上るという発表を行いました。「埋蔵携帯」といえば、わが家にも相当数のケータイコレクションが埋没しているのですが、うちのはそんなに価値はなさそうですが…。
このゲオによる埋蔵携帯の試算は関西大学の宮本勝浩名誉教授の協力のもとに行っているもので、2015年5月にもその試算額が1兆6,489億円と推計されていました。2年間で約500億円増加したことになりますが、一方で中古スマホ市場の売上数量は前年比で135%の成長推移を見せているそうです。それでも埋蔵携帯の試算価値が増えているということは、端末自体の価値も同時に向上したと考えるべきなのでしょう。
ご存知の通り、ゲオをはじめ、ブックオフやソフマップなど、中古スマホの買取りを積極的に行い、中古端末市場の拡大を目指している事業者が増えています。日本では新品端末が比較的安価に購入できる市場環境があるため、なかなか中古端末を積極的に購入して使用したいというユーザーは多くはないので、はたしてこの市場に参入する意義があるのかと疑問に思われる方も少なくありません。
ゲオなどは中古端末の買取網も販売網も自社で全国に網羅しているので、買取った端末はそのまま商品として流通させることで収益につなげられるのでしょう。
一方で、日本で買い取られた中古端末が海外に流通する販売ルートもあるとされています。わが国のモバイルネットワークは世界最先端といえます。そのネットワークで活用するスマホ端末は当然最先端のスペックが求められるわけです。これがわが国で中古端末に今一つ盛り上がりが見られない要因の一つとも言えましょう。しかし、世界に目を向ければ、いまだ2Gや3Gのネットワークが主流で、ハイスペックな端末を必要としない国や地域があるのも事実です。そうした国や地域では、わが国で見向きもされない型落ちの中古スマホでも、それなりの価格で取引されたりします。
どうせ価値がなさそうと、家の片隅で忘れ去られていた端末も、じつは世界にはそうした端末でも使ってみたいと思う人たちがいるのかもしれません。たいした買取金額にはならないのかもしれませんが、もしかしたらその端末をまた使ってくれる人がいるかもしれませんので、一度買取店に持ち込んでみるのもいいかもしれませんね。これこそ、本当に地球に役立つリサイクルと言えるのではないでしょうか。