現代人はスマホに疲れているらしい│木暮祐一のぶらり携帯散歩道

2000年代前半に登場し、iPhoneの発売で一気に普及したスマートフォン。今や国民の8割近くまで普及しています。もはや手放せなくなった道具であるというのはもちろんのこと、それよりもむしろスマホに振り回されてしまってる人が多いような…

携帯電話全般の買取・販売を行っている株式会社携帯市場は、1000人を対象にしたスマートフォンの利用実態調査を行い、その結果を公表しています。その中で「スマートフォンの利用時間(1日)」では、1 位が「30 分以内」(310 人)、 2 位が「1 時間から 3 時間」(275 人)、3 位が「3 時間から 5 時間」(172 人)という結果となり、1時間以上使用している割合は半数以上を占めました。

スマートフォンの利用時間
スマートフォンの利用時間

ここまで現代人がスマートフォンを手放せなくなったのは、手のひらにあるその端末からすぐにインターネットにアクセスできる利便性にあると考えられます。同調査では「スマートフォンの何が便利だと感じていますか?」という質問に対し、案の定1位は「インターネット」(793 人)、2位は「LINE などの SNS」(612 人)という結果になったそうです。

確かにスマートフォンが普及したことで、インターネットを通じて情報を簡単に手に入れられるため、仕事の効率性やスピードも格段に向上していますよね。また何よりコミュニケーション手段としての役割はガラケー時代から変わらず、しかしかつての携帯EメールはSNSに置き換わって活用されているわけです。簡単に相手とメッセージのやり取りができるため、人と人をつなげてくれる新しい形のツールになりました。単に連絡手段にとどまることなく、SNSは社会に大きなインパクトを与えるメディアにもなりましたし、それがときには企業広告として大きな価値を発揮したり、SNSを通じてビジネスを展開したりなど、それが果たす役割は年々重要なものになっています。

スマートフォンの何が便利だと感じてますか?
スマートフォンの何が便利だと感じてますか?

しかし、スマートフォンが普及した一方で現代人の「スマホ疲れ」という現象も起きています。同調査の質問で「スマートフォンを辞めたいと思ったことはあるか」という質問に対して27%が「ある」と答えています。その理由は「SNS や操作が面倒」(58 人)と「料金が高い」(59 人)がほぼ同率、続いて3 位が「無駄な時間」(35 人)という結果になっています。7 位に「疲れる」(20 人)がランクイン、「SNS や操作が面倒」の回答とは近しい内容であるため、代表の粟津浜一氏は“利用が面倒、疲れると感じている人が、辞めたいと思う理由の1位と想定できる”と考察しています。

スマートフォンの利用を辞めたいと思った理由は?
スマートフォンの利用を辞めたいと思った理由は?

インターネットやSNSが普及し、いつでも人々とつながっている環境ができたことは、逆にいえば仕事とプライベートの境界線が曖昧になってきたともいえそうです。久々の休日でゆっくりしようとしても、SNSで仕事の連絡が簡単に取れてしまうため完全に隔離した時間がないことがよくあると思います。このようなことがSNS疲れを引き起こしていると言えましょう。

またSNSだけではなくインターネットの普及もスマホ疲れを引き起こしていると思われます。情報に囲まれた社会に私たちがいることで、自分自身が見えなくなることはありませんか。必要な情報だけではなく不必要な情報にも触れてしまうことで、ついつい余計なことに思考を使ってしまったりして。うちの学生たちを見ていても、このような悪循環から抜けられない学生がちらほら見受けられるほどです。「あいつが私の悪口書いていたから」「ネットでこう書いてあったから」と無駄な情報にかき回されている若者が少なくありません。スマホ疲れにならないためにも、必要な情報に絞り込んで取捨選択するノウハウが今後求められていくのでしょうね。

参考情報

https://keitaiichiba.co.jp/press-release/?p=311

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