先だって「固定電話番号」が欲しくなってNTTドコモの「homeでんわ」を衝動契約した顛末は4月12日に当コラムに掲載した「固定電話番号を取得する方法|木暮祐一のぶらり携帯散歩道」の通りなのですが、じつは勢いに乗って同時にNTT加入電話(アナログ回線)の申込もしてしまったのです(笑)。いわゆる、昔からあるアナログ加入電話を改めて敷設し、固定電話番号2回線となってしまいました。
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現在居住している賃貸マンションは築年数も古く、固定電話を接続するモジュラージャックは玄関に設置されていました。皆さんはご記憶にありますかね、筆者ぐらいの世代だと、子どもの頃の時代はいわゆる「黒電話」と呼ばれた固定電話が、たいていお家の玄関に設置されていたものなのです。
その当時はまだ電話を持っていない家もあり、ご近所の電話を借りるというような風習が残っていました。なので、電話は玄関先に設置するものだったのです。
どのご家庭にも電話が浸透していったのは、電電公社が民営化してNTTになった1985年ごろからでしょうか。それまでは電話は電気やガス、水道と共に公共インフラとして扱われ、「無駄に使ってはいけない」ものの一つだったわけですが、NTTの発足後は民間企業としてどんどん電話を使ってもらったほうが収益が上がるわけですから、電話の利用を一段と推奨するコマーシャル(ブームになった「かえるコール」とか)が流されたり、テレビドラマで長電話のシーンがたくさん登場したり(「東京ラブストーリー」などが有名ですね)したわけなのですね。
この頃から、固定電話の設置場所も玄関先から家庭のリビングへ移動し、さらにコードレス電話機の登場によりプライベートな自分の部屋で通話するということが日常化していったんです。
だいぶ話が逸れてしまいましたが、筆者宅の玄関先に固定電話を接続できるモジュラージャックがありましたので、思わずNTTの加入電話を衝動契約してしまいました。数日かかりましたが、NTT局舎内の工事と、筆者が住むマンションの配線工事などが行われ、晴れてNTT加入電話が利用可能になりました。NTTドコモのhomeでんわとあわせ、03-XXXXで始まる固定電話が2本使えるようになりました。ということで、この固定電話2回線に接続する通信機器(電話機)を物色することに…。
加入電話用の電話機といえば、かつて家電量販店でひとつのコーナーを形成するほど機種も豊富だったイメージですが、都内の大規模な家電量販店に行ってみたところで、昨今は本当に1ブロックに最小限の電話機が並んでいる程度で、電話機といえばすっかり携帯電話およびスマートフォンに置き換わってしまったようです。それも並んでいる電話機は正直なところ魅力を感じるような端末はなく、どれも同じようなものばかりで食指が動きません。かつての固定電話機は、デザイナーものなどもあって、もっと個性豊かだったような…。もはやそんなものは市販されていないようです。
となれば、ヤフオクやメルカリで、かつて賑やかだったころの固定電話を物色するしかない!
そのようなわけで、ヤフオクやメルカリでゲットした電話機は以下の通りです。
まずデザインの優れた電話機メーカーの筆頭に挙がるのが、Bang&Olfsenではないでしょうか。Bang&Olfsenは1925年にデンマークで創業した音響機器メーカーで、一時は電話機なども手がけていました。日本でもオシャレなオフィスの受付電話などでよく見かけたブランドです。
そのBang&Olfsenの電話機の中でも、筆者が以前から憧れていたのが「BeoCom2500」です。ヤフオクやメルカリで探すと案外たくさん出品されています。すでに「ビンテージ」という扱いのようですが(笑)
ちなみにヤフオクやメルカリに出品されているこれらの端末は程度もまちまち。せっかくならば未使用に近い端末に出会えたらラッキーですね。ここだけの話ですが(笑)、どうも深夜に酔っぱらった勢いでメルカリで物色していたようで、なんと2台もBeoCom2500をゲットしていたようです。もちろん、ゲットした端末は大切にコレクションします(笑)。
さらにヤフオクやメルカリで物色を続けていくと、他にも魅力的な端末が色々と見つかります。
ヤフオクのほうで発見したのは「ALCATEL KIRK PLUS」。それもNTTが輸入販売した国内正規品で未使用品! 超お宝を発見した気分です。もちろんゲットです(笑)
このKIRK PLUSは1989年デンマーク製で、Marianne Stockholmさんという女性デザイナーによる作品とのこと。
壁に固定して設置しますが、横棒のフックにハンドセットを引っ掛ける感じのデザインとなっています。なお、機能としては何も無し(笑) それでいいんです。国産の電話機はあれこれ多機能になっていって、機能こそ豊富ですがどれもみんな同じ形で個性もなく、欲しいと思う端末はありません。やはり筆者は欧州の電話デザインが好みですね。欧州というよりも、北欧が素晴らしい!
筆者宅の固定電話ですが、前述のとおりNTT加入電話とNTTドコモのhomeでんわの2つがあります。NTT加入電話のほうはまさに「固定電話」で電話機の設置場所は必然的に玄関となります。一方、homeでんわのほうはモバイル回線ですので、宅内であれば設置場所には縛られません。
まず、玄関先の電話機ですが、BeoCom2500をインテリア代わりに置いておくのも素敵なのですが、どうしてもモジュラーケーブルの取り回しが気になってしまいます。筆者は「モバイルの人」であって、ケーブルは大嫌いです(笑)。一方、KIRK PLUSを壁付けすれば、モジュラーケーブルは既設の配線モール経由ですっきりと設置できそうです。
ということで、玄関先のNTT加入電話に接続する端末はKIRK PLUSに決定し、さっそく取り付けてみました。なかなかいい感じです(笑)。
さて、NTTドコモのhomeでんわの回線はどう活用しましょうか。そもそも固定電話で通話する気はほぼありませんが(笑)、KIRK PLUSが通話以外の機能がありませんので、homeでんわのほうはFAXも接続したいところです。こちらは設置場所も自由ですので、デスク周りで使うとして、どのような端末を接続するか再考してみることにしました(BeoCom2500はいずれ使用するとして、当面はコレクションとしてお蔵入り決定)。
いわゆるFAX電話機も、正直なところ魅力的なものが見つかりません。他にデスク周りで役立ちそうなアイテムといえば、プリンタやスキャナーとしても使えるFAX機能付き複合機でしょうか。そもそも筆者は徹底してペーパーレス化に取り組んだので、利用頻度は少ないとは思いますが、年季の入ってきたプリンタの置き換えとして、FAX機能付き複合機を探してみました。
結局のところ、たまたま訪れた家電量販店で最も安価だった複合機をセレクトしましたが、十分に満足。購入したのはエプソンのEW-M530Fという製品で、この記事執筆時点で1万4千円台で購入可能です。じつはこの価格は、いわゆるFAX電話機を買うより断然安いのです(笑)。
このエプソンEW-M530Fは、固定電話回線にモジュラージャックで接続すればFAXとして活用ができるわけですが、さらに固定電話機を接続すれば通話も可能になります。着信し、電話機を取ってからFAX受診だった場合も、EW-M530Fのパネル上の操作でFAX受信に切り替えるなどの機能があり、一般的なFAX電話機と同等の使い方が可能です。その上にインクジェットカラープリンターとスキャナー機能も備えられており、型落ち機種ではありますが価格も安価で大満足。
ちなみに、ここにBeoCom2500を接続しても良かったのですが、どうせならEW-M530F本体に合わせたハンドセットが欲しくなりました(物欲だらけですみません)。amazonで検索してみつけたのがこちら。またまたALCATEL(笑)。
ということで、衝動契約した固定電話2回線にそれぞれ機器を接続したのですが、やはり通話の機会は全くありません。着信するのは営業電話ばかりです(笑)
やはり筆者のコンセプトは「電話機は好きだが、電話(通話)は大嫌い」を実践です。なお、筆者宅にはリビングに別途光インターネット回線を引いているので、そちらに「ひかり電話」を設定すれば固定電話をもう1回線使えますね…(もう要らないんですが)。
ついでに補足ですが、NTT加入電話(アナログ回線)なら停電時も通話が可能ってご存じでしたか? ただし、停電時でも利用可能な電話機を接続している場合に限ります。本稿でご紹介した各電話機はすべて停電時にも利用可能なものです。国産の大半の固定電話機は多機能化によってAC電源が必要なものばかりで、停電時は電話機そのものが使用できず通話ができなかったりします。
なお、停電でも利用可能なのはNTT加入電話のアナログ回線のみで、ひかり電話などはAC電源が必要なため停電時は使えません。本稿でご紹介したNTTドコモのhomeでんわもモバイル通信網を使うもののAC電源が必要なため停電時は利用不可となります。
まあ、みなさんはケータイやスマホをお持ちですから停電してもコミュニケーションに困ることはないと思いますが…。