新型コロナウイルス感染症が拡大してからすっかり海外に出られていませんが、かつて中国にいくとどこに行ってもほぼキャッシュレス決済に対応していて驚かされたものでした。
一般財団法人キャッシュレス推進協議会が2021年3月に公表した『キャッシュレス・ロードマップ 2021』によれば、2018年時点の世界各国のキャッシュレス決済比率において日本は 24.2%にとどまるのに対し、同じアジア圏でも韓国、中国などは高い普及率を誇り、とくに中国は77.3%に上っていたそうです。
2018年に中国・深センに行った際にまさにこの高い普及率を実感してきたのですが、単に「支払い」に使うだけでなく、決済と連携して様々な場所で便利に使えたことに驚かされました。
とくに、飲食店での決済アプリと連携したテーブルオーダーの仕組みはとても便利でした。座ったテーブルに貼られているQRコードを読みこむと、自分のスマホでお店のメニューが表示されます。その画面から食べたいものを選択するだけで、オーダーと決済が完了します。あとは料理が運ばれてきて、食べて帰るだけ。
中国語を話せなくても、何の不便もありませんでした。メニューの選択から決済、オーダー完了までとてもスムーズ。こうしたテーブルオーダーのサービスがかなり普及していまして、かなり多くのレストランやファーストフード店などで利用が可能でした。
日本でも、こういうものが出てこないかなと期待はしていたのですが、たとえばメニューを自分のスマホで表示できるお店などはありましたが(たとえば品川プリンスホテルのバーとか)、結局オーダーは店員さんにお願いして、お会計はレジでということで、デジタル化が中途半端だなと思っていました。
そして、コロナ感染急拡大の状況のこの中で、できる限り人と人の接触を減らしていくという観点からするとキャッシュレス化の推進も重要なんじゃないかなと考えます。
本当かどうか根拠が見つかりませんでしたが、中国の知人から聞いた話ではSARS(重症急性呼吸器症候群)の後、とくにMARS(中東呼吸器症候群)の感染拡大がきっかけとなって中国では一気にキャッシュレス決済を推進したのだとか。
会計の際に現金を触らないで済むというメリットのほかにも、飲食店で注文をする際に大きな声を出さなくて済み、店員と来店客の接触も減らせるわけです。
そうしたところから、飲食店等におけるオーダーから会計までスムーズにできるキャッシュレス決済は日本にないものかと探してみたら、なんと大阪府が導入しているではないですか。
大阪府は、2021年9月から「大阪コロナ追跡システム」の一層の普及拡大とあわせ、府域でのキャッシュレス化の推進を図るという目的から、「大阪おおきにアプリ」の運用を開始しているそうです。
これは大阪コロナ追跡システムを導入している店舗等が来店者向けのメニューの閲覧、注文、キャッシュレス決済、お得なクーポンの取得・利用等が可能な専用ページを作成できるアプリとのこと。来店者は、その専用ページから自身のスマートフォンで注文からキャッシュレス決済までを行えます。
まさに筆者が中国で便利に使ってきたテーブルオーダーシステムと同等のものではないですか。
決済機能を提供している事業者の一つにPayPayが関わっているようですが、PayPayの方でも大阪おおきにアプリのメリットのひとつに次のような説明があります。
「あんしんの非接触:紙のメニューにもふれずに注文でき、支払いまで非接触で完結できます。」
そうですよ、ここ重要ですよね~。現金も触りたくないですが、お店のメニューもどの程度除菌されているか分かりませんので、できたらすべて自分のスマホを触るのみで完結させたいものです。
大阪おおきにアプリは大阪府が予算を投じて展開しているものと思われますが、ぜひこうしたキャッシュレス&テーブルオーダーシステムが日本でも拡がればよいなと思いました。
大阪おおきにアプリについて(大阪府)
https://www.pref.osaka.lg.jp/chiiki_tokku/osakaokiniappli/index.html
大阪おおきにアプリ事業(PayPay)
https://paypay.ne.jp/store/offer/area/osaka-okini/