ECサイトをかたったフィッシング詐欺が増加中|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

フィッシング詐欺サイト数の年次比較

インターネットにはトラップがたくさんありますが、年々フィッシング詐欺が増えているそうで注意が必要です。ソフトバンクのグループ企業であるBBソフトサービス(以下、BBSS)は2月26日に、インターネット詐欺リポート(2021年1月度)を公表しましたが、このリポートによるとフィッシング詐欺に使われるフィッシング詐欺サイトが千年同月比で2倍に増加しているとのこと。

BBSSでは毎月、インターネット詐欺リポートを公表し、インターネットの安全利用のための呼びかけを行っています。このほど公表された最新リポートによるとフィッシング詐欺が増加傾向にあり、2019年1月は264件だったものが、2020年1月は615件まで増加、さらに2021年1月は1,231件と前年同月比2倍に増加していることが明らかになりました。

フィッシング詐欺サイト数の年次比較
フィッシング詐欺サイト数の年次比較

さらに、BBSSではこのフィッシング詐欺サイトで盗用されたブランドについても調査を行い、ランキング化しています。

詐欺ウォールで収集したフィッシング詐欺サイトブランドランキング
詐欺ウォールで収集したフィッシング詐欺サイトブランドランキング

2019年、2020年は、Apple IDや佐川急便をかたるフィッシング詐欺サイトが上位にランクインしていました。筆者にもこういう詐欺サイトへ誘導されるスパムメールがたくさん届いていましたので、記憶にあります。ところが2021年1月のランキングでは少し傾向が変わり、Apple IDや佐川急便はランク外となり、代わりにECサイト事業者やクレジットカード会社をかたるフィッシング詐欺サイトが増加しています。

BBSSではこの傾向について、新型コロナウイルス感染症対策として1月8日に日本政府が発令した緊急事態宣言により、外出自粛が進んだ影響でネットショッピング需要が高まり、それにつけ込んでECサイト事業者・クレジットカード会社をかたるフィッシング詐欺サイトが増加したのではないかと推測しています。

Amazonをかたるフィッシング詐欺事例を見てみましょう。フィッシングメールは、未納料金の請求や、登録しているクレジットカード有効期限切れの案内、請求先住所の変更、不審な注文があった等、内容はさまざまです。以下が実際に届いたメール画像ですが、送信元が「Pay Amazon」となっているため一見公式メールのように思えますが、送信元情報を確認するとメールアドレスが「google」となっているなどおかしな点が見つかります。

Amazonをかたるフィッシングメール例
Amazonをかたるフィッシングメール例

そして、メールに表示されている「Amazonログイン」ボタンをクリックすると、フィッシング詐欺サイトが表示されます。一見するとAmazonのログインページと変わりません。本物と見分けがつかないほど巧妙に作られています。

Amazonをかたるフィッシング詐欺サイト

いうまでもなく、このようなサイトで情報入力すると情報詐取されるのみでなく、搾取された情報はフィッシング詐欺を仕掛けた犯罪グループを経由して、ブラックマーケットで転売され、サイバー犯罪に活用される恐れがあります。こうした被害にあわないためには、メールやSMSで案内されたURLが正規URLかを確認する必要があります。またメールやSMSメッセージ上のリンクはクリックせず、事前に登録しておいたブックマークから正規サイトへアクセスすることを心がけましょう。

BBSS:インターネット詐欺リポート(2021年1月度)
https://www.onlinesecurity.jp/reports/2021/202102.html

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