最近、すっかりMVNO(仮想移動体通信事業者)にハマっています。MVNOって、よく“格安スマホ”とか言われているアレです。通信設備を自前で構築しているドコモやKDDI、ソフトバンクといった通信事業者(MNO)から設備を借りて独自ブランドでモバイルサービスを提供している事業者のことです。確かに通信料も安いんですが、中には自前でオリジナル端末やサービスを提供しているところもあります。MVNO各社の端末やサービスで気になったものを不定期で紹介していきます。
TSUTAYAの公式スマホ「TONEモバイル」
DVDレンタル大手のTSUTAYAが公式スマホと謳っているのが、TONEモバイル。T-POINTが貯まるとか、TSUTAYAのキャンペーンに連動するなど、TSUTAYAをよく利用するユーザーにはお得そうなMVNOですね。
しかし、多数のスマホ端末をラインアップするMVNOも多いなか、TONEモバイルはなんとオリジナルの1端末のみで勝負をかけています。TONEモバイルがラインアップする端末は、じつはこれまでにモデルチェンジもしきたのですが、基本的にシンプルな1端末を前面に据えてスマホサービスを提供しています。最新の端末は、2015年11月発売の「m15」。
残念ながらまだすべてのTSUTAYA店頭で扱っているわけではないのですが、今後取扱い店舗は増えていきそうです。
このTONE m15ですが、CPUはMediaTek MT6735(クアッドコア 1.3GHz)、RAM:2GB/ROM:16GB、ディスプレイは5.5インチ、バッテリーは3,000mAh、カメラはメインが1300万画素、インカメラが500万画素、OSはAndroid 5.1、ネットワークはLTE(1/3/19/21)とW-CDMA(1/6/9/19)に対応。サイズは幅74.5mm×高さ147.9mm×厚さ8.6mm、重量約165gと、ごく標準的な5.5インチクラスのスペックを有しています。もちろんSIMフリー。販売価格は32,184円(税込)です。24回払いも可能で、その場合は毎月1,341円となります。
端末価格もミッドレンジとしてはリーズナブルで、一般的なファミリーユースであれば必要十分なものでしょう。端末のカラーバリエーションはもう少し選択肢があっても良いのでは? と、思いましたが、今や日本のユーザーはみなケース(カバー)を付けて利用するので、中身となるスマホはホワイトボディ1択で良いのかもしれません。
では、ケースは? これはTONEモバイル自ら、m15専用のケースを用意しTONEモバイルを扱う店頭で販売しています。iPhoneなら選ぶのに迷うほどケースに種類があるのに、これじゃ物足りない! って声も聞こえてきそう。ところがどっこい、TONEモバイルは自分だけのカスタムケースを作ってくれるサービスを用意しているのです。
m15にあらかじめプリインストールされている「One」アプリを起動し、「つくる」→「ケース」を選択する。そうするとギャラリーから画像を選択する画面へ。m15で撮影した画像からオリジナルケースが作成できてしまいます。画面上でケースの形にトリミングしてデータを送信すればオシマイ。およそ1週間程度で契約住所に配送されてきます。価格は3,600円で送料は無料。これは楽しそうですね、毎月斬新なカバーを作っちゃいそう…。
エントリーユーザー向けに優しい機能
ちなみにTONEモバイルの利用料金ですが、きわめてシンプルで基本使用料にパケット通信使い放題合わせて月額1,000円(税別)。これには050番号で利用するIP電話の利用料も含まれます。ただし通話料は国内携帯電話宛で21円/分、国内加入電話宛で13円/3分の通話料がかかります。通常の070や080で始まる音声通話が必要な場合は、別途「090音声オプション」(月額953円/月)を利用する必要があります。
パケット使い放題ですが、これは月間の通信容量に制約はありませんが通信速度は制限されています。とはいえ、筆者の手元にある端末での実測値は下り1.2Mbps程度。サクサクとはいえませんが、一般的なテキストベースのコンテンツを利用するには不満は感じないといったところでしょうか。
スペックや提供価格を考えると、ずばり、このTONEモバイルのユーザーターゲット層は、“スマホにそれほど詳しくないファミリー”なのでしょう。
じつはまさに、そういったユーザー層向けのきめの細かいサポート機能に感心しました。たとえばインターネットにつながらない、通話ができない、あれ故障かな? と思うようなシチュエーションで役に立つ驚くべき仕掛けが端末の「箱」に仕掛けられていました。端末の電源を入れた状態で、背面を下にして箱の中に入れます。そうすると、専用の診断アプリが起動し、通信接続で陥りがちな設定が正常かどうかを自己診断してくれます(自動修正モード)。その上で解決しない場合にはお客様センターに通話発信できるようになっています。
また、プリインストールされるIP電話アプリにはちょっとした隠し機能もありました。お馴染みの番号案内「104」ですが、TONEモバイルでは104による番号案内は提供していませんが、代わりにIP電話アプリから「104」発信することで、周囲にあるグルメや美容、ホテル、TSUTAYAなどを検索することができます。IP電話アプリで「104」をタップし「発信」ボタンを押すと検索メニューが表示されます。そこから探しているカテゴリを選んでいくだけ。
子ども向け管理機能の充実ぶりに驚いた!
さらに、ファミリーでこのTONEモバイルを利用する場合の管理機能の充実ぶりはたいしたもの。たとえば小学生のお子さんが初めてスマホを利用したいというシチュエーション。このTONEモバイルなら、親御さんの端末からお子さんの端末を徹底管理することができます。
たとえば、お子さんがアプリを追加したいというケースで見てみましょう。この場合、子側の端末でアプリをダウンロードできますが、それを利用するには「TONEファミリー」で登録済みの親側の端末から許可をもらう必要があります。
子側端末から利用したいアプリを選択し「リクエスト」をタップします。そうすると親側端末にアプリのリクエストが届きます。親側端末で許可することで、はじめて子側端末でアプリが利用可能になります。たとえば子どもが約束をやぶってアプリで遊んでばかりいる、という場合には親側端末から子側端末のアプリ利用を停止することもできます。その場合、また子側端末からアプリのリクエストを送り、許可をもらわななければアプリが起動しません。
このほかにも、子側端末の利用時間を設定したり、位置情報を使って特定のエリアで半径200m以内に入った場合に通知が届く「ジオフェンス機能」、歩きスマホを検知してメールで通知してくれる機能なども備えています。
ということで、スマートフォンを欲しがる小さなお子さんがいるご家庭には大変充実した機能を備えたサービスですね。これ、お父さんのスマホも管理するのに良いかも?! >奥さん!