災害被災時のパソコン修理|木暮祐一のぶらり携帯散歩道

今年は災害が多いですね。8月以降だけでも、石川県、山形県、青森県などに大きな被害をもたらした大雨、九州で被害を出した台風14号、静岡県で大きな被害を出した台風15号など。被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

こうした災害が起こると通信各社は災害救助法が適用された地域のユーザーに対して、月額基本料金の減免や料金支払期限の延長などの支援措置を適用することは以前から知っていたのですが、パソコンメーカー等も同様に、こうした地域で被害に遭われたユーザーのパソコン修理に関して特別修理サービスを提供していることをお恥ずかしながら最近知りました。

調べる限り、富士通やHP、NEC、レノボ、VAIOなど、日本でパソコンを販売しているメーカーの多くが同様の特別修理サービスを行っています。たとえばレノボ・ジャパンではこの特別引取修理サービスを2015年から実施しているそうです。

この特別修理サービスの適用内容は、どのメーカーもほぼ共通で、パソコン本体、モニター、サーバ、タブレットなど。メーカーによってはプリンターや、パソコン周辺機器やアクセサリまでもカバーするところがあるようです。なお、スマホは対象になっていません。

メーカーでは基本的に水害、地震などの天災地変による故障は保証期間を問わずすべて有償修理というのが基本となっています。しかし、災害救助法が適用された地域で被害を受けられたユーザーから修理の依頼があった場合には、修理可能な製品については、修理パーツ代のみユーザー負担として作業料は無料、送料も無料、また見積り後に修理キャンセルをした場合の検査料とその際の送料も無料としています。災害ごとに適用される期間も定められていますので、該当されるユーザーは各メーカーのリリースを確認してください。

筆者はたまたま今年5月に、各パソコンメーカーの中でもとくに迅速な対応と高品質な修理体制を整えていることで知られるNECパーソナルコンピュータ群馬事業場を取材させていただいたことがあります。

NECパーソナルコンピュータ群馬事業場
NECパーソナルコンピュータ群馬事業場

詳細なレポートはこちらhttps://www.aucnet.co.jp/news/2022/20220607-1/)にまとめているのですが、同事業場はNEC LAVIEブランドと、レノボブランドのパソコン修理を行っています。修理受付けを行うコールセンターも同事業場内にあり、受付から集荷手配、着荷受付、検品・故障診断、ユーザーから修理意向確認後の修理作業、そして出荷までとてもシステマチックに行っています。

2002年より保守サポート拠点として稼働してきたこのNECパーソナルコンピュータ群馬事業場では、パソコン修理に特化してノウハウを積み上げてきたことで、現在95%以上の修理依頼を修理センター到着後1日(24時間)以内に完了し、出荷しているといいます。

預かった修理品の故障診断ライン
預かった修理品の故障診断ライン
修理作業のライン
修理作業のライン

通信も、そしてスマホやパソコンも、もはや生活に欠かせない道具となりました。だからこそ、災害などによって利用できない期間が生じればさらに生活のダメージとなりかねません。通信各社はもとより、パソコンメーカーも被災されたユーザーの支援の一環として、保守サポート体制を整えて修理要請を受け付けているということに少々感銘しました。
被災されてお困りの方は、ぜひ被害を受けた製品のメーカーに問い合わせてみることをお勧めします。

おすすめ記事