河野太郎デジタル相は9月13日の閣議後記者会見で、接触確認アプリ「COCOA」の機能を停止する方針を明らかにしました。機能の停止時期は未定となっていますが…。COCOAはアプリ公開当初からスマホに入れて使ってきましたが、接触通知なんて来なかったし、起動したところで何も面白くないアプリで、その存在すら忘れてたところでした(笑)。
ところが夏休みシーズンに入ってから、筆者のCOCOAには2回の濃厚接触通知が届きまして、「なんだちゃんとCOCOAが動作しているんだ」と感心してしまいました。
すでにご存じだとは思いますが、COCOAはBluetoothを使い、「濃厚接触者」の定義に基づいてスマホユーザー同士が1メートル以内に15分以上いた場合、接触履歴をお互いのスマホに記録します。もし万が一、コロナ感染者となった場合にアプリに「陽性登録」することで、もう一方のユーザーに接触情報が通知される仕組になっています。
もちろん、本人の前提を条件に互いに分からないようプライバシーも配慮されています。
コロナが全世界的にまん延したことから、スマホの標準機能としてOSに搭載され、各国が対応したアプリを国民向けに提供しています。日本では厚生労働省が「COCOA」として配布しているものです。
このCOCOAですが、すなわち世の中で動いている人たち皆さんのスマホにインストールされ、起動していないと意味がないんですよね。提供当初は「これ、ほんとに使い物になるの?」なんて思っていた人も多かったと思いますが、厚生労働省によると、今年8月26日時点(本稿執筆時最新データ)で4,000万ダウンロードを超えたようで、接触通知アプリとして有効に使えるところまで普及は果たしたようです。
COCOAから接触通知が来るのは、前述のとおり1メートル以内で15分以上接触した場合となっていますが、Bluetoothの接続範囲からすれば、もっと多くの感染者との接触も検出できそうです。じつはこれを可視化できるのが、厚生労働省のホームページでも紹介されている「COCOAログチェッカー」(開発者:河原圭佑氏)です。これを使うと、Bluetoothの到達範囲であるおよそ30メートルの範囲内に1分以上いた「COCOA」の利用者の中から、感染した人がどれだけ出たかを日にちごとに確認できます。
使い方は簡単。COCOAの接触確認画面の「情報を保存」をタップします。そうすると直近14日の接触ログがコピーされますので、続いてCOCOAログチェッカーを開き(ウェブのサービスですが、ページをスマホのホーム画面に登録しておくとすぐに起動できて便利です)、ログファイルをペーストして「チェックする」ボタンをタップするだけ。
これで、自身の周囲にいらしたコロナ陽性者(接触後、コロナに罹患され、COCOAに陽性者登録をされた方ということになりますが)が可視化されます。結構驚きますよ(笑)
筆者は8月2日から6日まで青森市でワーケーションを実施、その後東京に戻り、8月12日から13日の1泊2日で秋田県へ出かけています。秋田県から東京に戻った後の8月15日にCOCOAログチェッカーでチェックしたところ、直近14日間で計53件の近接記録が!
ちなみにCOCOAログチェッカーでは、OSで検知した新規陽性者登録者のすべての接触をカウントするということで、COCOAの接触通知よりもかなり広範に陽性者を検出してくれます。
こうしてみますと、外出すれば必ず接触があることが分かります。ちなみに8月2日と6日、12日、13日は飛行機で移動しています。空港での接触が多いのか、機内での接触なのか分かりませんが、飛行機移動では接触の機会が増加するようです。また8月3日~5日は青森市内でねぶた祭を観賞していましたが、それなりの人混みがありましたので、やはり接触は多いですね。
青森から東京に戻った後の8月8日は路線バスを使った外出をしています。バスは結構な乗車率で30分以上の移動でしたが、飛行機移動ほどのリスクはなかったようです。筆者は基本的に在宅勤務なのですが、9日はランチでご近所に外出(接触1)、10日は所用で出社し(往復JR山手線に乗車)、夜は同僚と焼鳥屋で会食していますが、これも接触1で済んでいます。11日は完全在宅で家から一歩も出ていませんので接触はありませんでした。
ちなみに、コロナ陽性となった方が陽性者登録をすることでこのカウントが変わってきます。従いまして日付が直近のものはまだ陽性者登録されていない方が多いため少なめに表示されます。後日再度チェックしてみると、どっと数が増えていたりします。
いずれにしても、コロナはこれからも撲滅することはなく共存していく必要があります。そこで重要になることは、万が一感染が疑われる場合は、それを他人にうつさないよう自己管理することだと思います。
以前、こちらのコラムでもご紹介しましたが、筆者は指輪型ウェアラブルデバイス「OURA ring」を愛用しています。このデバイスは心拍や血中酸素濃度などのほか体温もモニタリングでき(平均との変動値を1日単位で表示)、これを見ると何かしらの感染が疑われた際の発熱の検知もできます。
過去のデータを振り返って明らかに発熱したのは今のところ2回。コロナワクチン3回目接種を行った翌々日に+0.9度の発熱。そして6月10日に+1.3度の発熱をしていますが、これは6月8日に半生の貝類を食して腹痛を起こしたときでした(笑) 何かしらの細菌が入り、身体が必死に抵抗した証です。身体のコンディションも過去最低でした。おかげさまで、以後は現在まで体調に変化がありません。
きっとコロナに感染してしまったら体温をはじめ何かしら身体データに変化が出るはずですので、コロナ共存前提社会においてはこうした日々の健康管理やモニタリングがますます重要になると思われ、自身の健康状態の可視化の工夫がますます求められていくのだろうなと感じました。
当初関心なかったCOCOAも、
https://cocoa-log-checker.com/#/
厚生労働省:新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html