スマホって色々なメーカーから発売はされていますが、そのほとんどは板状のデザインでメーカーごとの個性もこれといって感じられず、近年は「どうしても欲しいぞ」と思わせてくれる製品があまりありませんでした。スマホは必要不可欠な道具なので、メジャーな製品は買ってはいるんですが、あまり感激がなく…。
ところが、3月下旬に久しぶりに背筋がゾクゾクするような新製品が登場してきたんです。それがmotorola razr 5G(以下、razr)です。
6.2インチOLEDのメインディスプレイを備えていますが、なんとこれが二つ折りにたためるのです。折り曲げられるディスプレイを備えた端末は過去にもありましたが、それらはディスプレイ面が広がって大画面で使えるというのがウリでした。しかし、このrazrは本来のスマホが折りたためて半分のサイズになるといった感じです。折り曲げられるディスプレイの応用事例として、私はrazrのアプローチのほうが正しいと思いました。
何より、かつてのガラケー時代、日本ではその大半のモデルが二つ折りだったじゃないですが。日本人の多くはこの「パカパカ」が大好きなはず(笑)
詳細のスペックやレビューは、メーカー公式ページやメディアの記事をご参考にされてください。razrを取り扱うキャリアはソフトバンクのみで、ソフトバンク版の定価は198,000 円(税込)。一方、メーカー発売のSIMフリー版もあり、こちらのほうが価格設定が安く、179,800 円(税込)。いやはや、スマホとしては“超”が付く高価な端末なのですが、久しぶりに衝撃を受けた端末でして、思わず買ってしまったんですよ。果たしてスマホにこんなにお金を掛けていいのか迷ったんですが、結果的にその個性といい、使い勝手といい、大満足です。
何より「モトローラ」ですよ。世界で最初の携帯電話を世に送り出した伝統的ブランドです。黎明期からの携帯電話ユーザーにとっては、このモトローラというブランドは格別なものなのです。
筆者が購入したのはSIMフリー版のほう。実際にソフトバンク版のほうの実機を見ていないのですが、公表スペックを見る限りソフトバンク版のほうはSIMカードが1枚しか利用できないようです。一方のSIMフリー版はSIMカード+eSIMという組み合わせで、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応しています。1台のスマホで2回線を同時使用できるこのDSDSは、一度使いだすと何かと便利で、もうSIMが1枚しか使えないスマホには戻れません。このrazrでも当然2回線で使いたかったので、必然的にSIMフリー版の一択となりました。
価格も価格だけに、製品の仕上げもそれなりの高級感が漂ったものです。二つ折りのヒンジ部もしっかりした感じですし、本体のフレーム部分は半光沢仕上げ、本体表面は鏡面仕上げです。正直、端末写真を撮ろうとすると本体に色々なものが映り込んでしまって、カメラマン泣かせの端末です(笑)
端末ロック解除には顔認証のほか、指紋認証にも対応。背面のモトローラロゴの部分が指紋センサーになっており、ここを指で触れればスムーズにロック解除できます。
顔認証は、端末を開いた際のインカメラでも認証されますが、アウトカメラでも認証可能で、端末を閉じた状態でもロックが可能です。また、自撮り写真を撮る場合にも、折りたたんだ状態でアウトカメラを使って撮影が可能です。サイドにあるボリュームボタンでシャッターを切ることができます。
前述のとおり、筆者が購入したrazrはSIMフリー版で、SIMカード+eSIMのデュアルSIM端末です。SIMカードはnanoSIMに対応しています。筆者はこの端末を今後メイン端末として活用していく予定で、現在ワイモバイルで契約しているメインの回線に加え、楽天モバイルのeSIMもインストールしてみました。ワイモバイルは通話メイン、楽天モバイルはデータ通信用として設定しました。
それにしても、超高価な端末だけに、端末を保護するケースやカバーが欲しいところです。国内で正規に販売されているrazr用のケースは、ソフトバンクセレクションのハードケースのみ。もちろんこれでも良いのですが、いかにもプラスチックなチープな感じでちょっと今一つなんですね。
しかしそこはグローバルモデルであるrazrだけに、Amazonなどで探すと海外で売られている専用ケース等が比較的容易に入手できます。思わず気に入ったものを片っ端に注文して順次到着している状況なのですが(海外からの発送のものが大半なので到着まで時間がかかります)、今のところ一番のお気に入りはこちらのケース。ズボンのベルトに装着可能なクリップ付きホルダです。
往年のモトローラの名機といえば、日本では1996年10月に発売されたスタータック(IDO T217/セルラー HP-40M)を思い出す方が多いでしょう。二つ折り型の携帯電話でしたが、このスタータックにはオプションでクリップ付きホルダが用意され、スタータックユーザーの多くは腰ベルトに端末を装着して愛用したのです。そのスタータックから約25年を経て発売されたこのrazr 5Gは、思えば格段に進化したスタータックだなと感じるのです。razr 5Gのメーカーサイトには「往年の名機のDNAを継承しつつ5Gに対応した、motorola razr 5G」というキャッチがありましたが、ここでいう「往年の名機」というのはきっとスタータックを指しているのでしょう。
このクリップ付きホルダですが、社外品とはいえ、なかなかよくできています。ベルトに装着するクリップはスタンド代わりにもなります。ビデオ会議とかでも役に立ちそうです。
折りたたんだ状態で着信があった時に、端末を開くだけでオンフックになるのもモトローラならではです。これはかつて、モトローラが一世を風靡したフリップ付き携帯電話「マイクロタック」から備えられていた機能で、これがrazrでも継承されています。ちなみにこの「開いて通話開始」というのはモトローラの特許と聞いていまして、このためわが国の二つ折り携帯電話には、開いて即通話ができるというモデルはほとんど存在しませんでした。
こうした、ちょっとした使い勝手の工夫は、今後使っていく上でまた発見が出てくることでしょう。一方で折りたためるディスプレイが長期の利用でどこまで耐えられるかなども気になるところ。ともあれ、毎日使って何かあればまた報告しましょう。今回は久しぶりに大枚を叩いて購入した端末に大満足というご報告でした。
motorola razr 5G メーカー公式ページ
https://www.motorola.co.jp/smartphones-razr-5g