コロナ禍で一気にビデオ会議のニーズが高まりすっかり浸透しましたが、じつは筆者はかなり以前からビデオ会議のヘビーユーザーでした。
さかのぼれば1998年ごろには当時のCU-SeeMeというビデオ会議クライアントを使って各地をつないでオンライン飲み会をやっていました(笑)そもそもモバイラーの走りでしたから、パソコンと通信環境を持ち歩いてどこでも仕事をするっていうのが日常的でした。
さらには、長らく青森県に赴任していましたので、東京をはじめ各地の関係者と仕事や研究をするのにビデオ会議システムは欠かせませんでした。
とはいえ、皆さんとその場を共有する対面環境と画面越しのオンライン環境とでは、やはりどうしても臨場感に雲泥の差がでてきます。その差をいかに近づけていくかがデバイスメーカーの工夫どころということでしょう。
そうした中で、パナソニック コネクトはオンライン会議に最適な360度カメラとマイク、スピーカーを一体化した「PressIT360」を発表しました。8月より順次発売されるそうですが、製品発表会にて実機に触れさせていただく機会をいただきましたのでこちらにてレポートしたいと思います。
パナソニックはこれまで業務用ディスプレイ、プロジェクター、放送・業務用カメラ、業務用マイク、スピーカー、オフィスソリューション商材などを長年に渡って取り扱ってきたメーカーです。これらの技術とノウハウを活かして開発されたというのが、この360度マイク・スピーカーのPressIT360です。
本体には4方向に4つのカメラが内蔵され、周囲360度をフォーカスします。また本体トップには7つの穴が見えますが、これがすべて個別のマイクで、周囲半径5mの音声を拾い、音声の方向を検知して自動的にフォーカスを向ける機能などが備えられています。
使い方も極めて簡単。USB-CケーブルでPCとつなぐだけ。zoomやTeamsなどのビデオ会議アプリでカメラ、マイク、スピーカーとして認識され、直ちにビデオ会議をスタートできます。
本体正面には4つのボタンがあるだけで、ボタンにあるアイコンを見ればこれまた一目瞭然で操作可能です。左から順にマイクミュートボタン、音量(小)ボタン、音量(大)ボタン、そして一番右側が映像モードを切り替えるボタンです。
フォーカスモードは最大2人の話者を拡大表示し下部に360度全体を表示する「分割ビュー」、最大4人にフォーカスし話者の画像上に緑色バーを表示する「集合ビュー」、180度の2段画面表示により会議室全体の雰囲気を共有できる「全周ビュー」、話者1人を大きく映す「一人ビュー」のほか、話者に関係なく一方向をフォーカスする「固定ビュー」があります。
話者に自然にフォーカスが切り替わり、映像もなかなか綺麗です。
底面には三脚固定穴があり、三脚に固定して使うといった使い方も可能です。
本体の質量は957gと軽量、手軽に持ち運んで使ってもらうことを想定しています。価格はオープンとなっていますが、実際には18万円前後で販売されるだろうとのこと。価格からみて、やはり法人向けがターゲットですね。
同様な会議室全体をフォーカスできるビデオ会議用の360度マイク・スピーカーはすでに多数のメーカーから市販されていますが、確かにこのPressIT360の映像や音質は申し分のないものでした。パナソニック コネクトによれば、まずは国内シェアの10%を目指していきたいとしていました。
できたらもっと値段がこなれてきて、家庭に1台ぐらい普及するといいですよね。これがリビングに置いてあって、離れた場所にいる家族や友人知人といつでもオンラインでつながるような世界が来るといいなと思いました。
https://news.panasonic.com/jp/press/jn220726-1