さる9月21〜24日の4日間、東京ビックサイトにて「ツーリズムEXPOジャパン2017」が開催され、取材に行ってきました。
観光関連の様々なサービスやソリューションの展示や、国内各地、世界各国の見どころなどがパビリオンとして並び、とても楽しいイベントでした。
会場を一回りしてみて率直に感じたことは、360度動画とVRを使った観光地紹介がもはや当たり前になってしまったということでしょうか。
もうどのブースも当たり前のようにVRゴーグルを設置していました。
たとえば環境省がエコツーリズムの訴求のために国内各地の自治体・団体等と出展していたこちらのブースでは、日本の代表的な国立公園を360度動画で収録して編集し、VRゴーグルで視聴できるように設置していました。
初めてVRで風景を視聴された方々は、その没入感に驚嘆の声を上げられてました。見慣れてしまうと「あっそう」って感じではあるのですが、初めて体験した時は確かに驚きますよね。
世界各国が自国の主要名所を紹介するために出展していたコーナーでもVRだらけ。南アフリカのブースではひたすらジャングルや草原の風景が流れていました。
NTTドコモもじつはVRの応用に意外にご熱心なんです。今回のツーリズムEXPOでは博多祇園山笠を360度VRライブ配信した実証実験などを紹介していました。
録画した博多祇園山笠中継時に録画された360度動画映像を見せていただきましたが、もう迫力満点。
これは祭りの山車を追いかけて映像撮影するなどされているのですが、動きのある映像をVRで視聴すると視点が激しく揺れるために思わず酔ってしまうものです。しかし、相当高価なスタビライザーなどを使っているのでしょうか、三半規管に刺激を与えるような揺れを感じず、気持ちよく祭りの中に入り込めました。お見事!
じつは、360度動画を観光振興や地域振興に活用しようという試みは私の研究室でも取り組んでいて、その取り組みの様子は7月11日に掲載したコラム「360度動画を使った地域プロモーションのトライアル」でもご紹介したとおりです。そのコラムでも説明しましたが、360度動画を撮影するカメラ類は整ってきたものの、それを手軽に視聴する手段で画期的なものがないのが課題といえそうです。
たとえば、360度動画をVRゴーグルに仕込んで視聴してもらいたいというシチュエーションで、視聴される方に操作方法を伝えたいのに、視界が塞がれてしまっているのでなかなか説明が難しいという問題があります。
我々の青森県大鰐町での取り組みではNTTドコモが法人向けにサービス提供を開始した「みんなのVR」を活用しましたが、
これこそ視界を塞いでしまうVRを、傍にいるスタッフの手で操作することでコンテンツの選択や再生ができる優れもののソリューションといえます。
でも、本当はもっともっと簡単にVR視聴できる安価なツールがないかなと考えています。というのは、VRゴーグル自体は今や100円均一ショップで買えるまで身近なものになりました。もはやノベルティーで配れるレベルです。
こうしたVRゴーグルを利用するには何らかのアプリが必要になりますが、YouTubeアプリなど、ネット上の360度動画等を視聴するアプリはまあ多数見つかるのですが、観光振興で使えるようなものでなかなか良いものが見つかりません。
たとえば、旅館やホテルなどに置かれているイラストマップ上で、掲載されているスポットをお客様にVR視聴で視聴してもらう、というようなペーパーとVRとの連携などなど、「こんな風に使いたい」というアイデアには溢れていのですが、私どもに開発能力もなく…。どなたかご一緒に開発していただけないですかねー。